阪西敦子句集『金魚』
坂西さんは、「ホトトギス」の主要メンバ―のお一人で、日本伝統俳句協会の理事であられる。著作も多く、共著に『俳コレ』『天の川銀河発電所』などがある。七歳の頃から祖母の元で俳句を作り、「ホトトギス」に投句していた。爾来、四十年の作品を纏めたのがこの句集『金魚』。数えてはいないが...
坂西さんは、「ホトトギス」の主要メンバ―のお一人で、日本伝統俳句協会の理事であられる。著作も多く、共著に『俳コレ』『天の川銀河発電所』などがある。七歳の頃から祖母の元で俳句を作り、「ホトトギス」に投句していた。爾来、四十年の作品を纏めたのがこの句集『金魚』。数えてはいないが...
著者本杉さんは故・木内彰志主宰の「海原」で俳句を始め、「琉」を経て「枻」の創刊同人となり、橋本榮治代表と俳句を楽しむ間柄となる。跋は橋本氏が懇切に書いておられる。 神奈川県在住で、その第一句集の『有心(うしん)』である。2024年4月6日、株式会社コールサック社発行。...
鈴木総史さんは俳句甲子園をきっかけに作句を開始、「群青」(櫂未知子・佐藤郁良共同代表)で研鑽を受け、北海道に職を得てからは「雪華」(橋本喜夫主宰)に入会。北海道新聞俳句賞本賞、星野立子新人賞を貰っている。この句集は逆編年体で組まれ、ふらんす堂が2024年3月3日に発行した。...
俳誌「深花(しんか)」が創刊されたので紹介しよう。発行人兼編集人は大木雪香さんで、発行所は川崎市中原区。季刊。「小熊座」の渡辺誠一郎さんが相談役を、林誠司「海光」代表が顧問役につかれておられる。大木さんの挨拶文には「深花」と名付けた訳が書かれている。「進化」「真価」「深化」...
著者の坪内さんについては、改めてご紹介が要らないほど著名な方である。ただ、「船団の会」散在後、「窓の会」を結成され、その主宰をなさっておられることだけをご紹介するに留めよう。ふらんす堂、2024年3月5日発行。 自選句は次の十句。「作者のある日の自選十句」となっている。日が...
著者中嶋鬼谷は秩父の出身で、楸邨の「寒雷」にて俳句を学び、楸邨没後季刊俳句同人誌「禾」を刊行した。『峡に忍ぶ 秩父の女流俳人 馬場移公子』など多くの評論集を刊行している。その第四句集で、ふらんす堂、二〇二四年二月二十二日発行。山下知津子が丁寧な栞を書いている。帯には同氏が選...
保里さんは「波濤」「青芝」「海鳥」を通して俳句を学び、現在は「超結社朱夏句会」(なつはづき代表)および「青山俳句工場05」(宮崎斗士代表)のメンバーである。現代俳句協会、令和六年三月十四日発行。 序文と跋文は、宮崎斗士となつはづきが、多くの好句をあげて書いている。お二人の共...
荻原さんは半世紀以上の句歴をもつベテラン作家。父荻原映雱に学びつつ、楸邨の「寒雷」に入っていたが、「天為」創刊時に移った。その後、荻原の「石蕗」を継承し主宰となっている。秋田県の芸術選奨をもらい、複数回の角川俳句賞候補にも推されている。既句集は三冊。師や仲間がいなかったら、...
蜂谷一人(はつと)さんは、知る人ぞ知るNHKの俳句テレビ番組のプロデユーサーをされておられたが、俳人で絵も能くされる。2016年には俳壇賞を受け、著作には俳句百科『ハイクロペデイア』などがある。この『四神(しじん)』は氏の第三句集であろうか、朔出版、2024年1月21日発行...
髙橋さんは難解俳句を能くする「LОTUS」にあって、比較的分かる句を書く人だと、小生は認識している。この句集は第五句集であろうか、このほか彼女には俳句関係の著作が、『修羅と永遠 西川徹郎集成』など、数多い。なお、句集名『風果』(ふうか)は彼女の造語で、風の吹くまま進んできた...
九十五歳になられる有田さんの第一句集である。鳥取にお住まいで、「朴の花」(主宰は長島衣伊子氏)に平成十九年に参加し、二十八年には「朴の花二十周年記念賞」を戴いている。令和五年十二月二十五日、文學の森発行。序文は長島主宰が書かれた。 自選十句は次の通り。...
長谷川さんは「新俳句人連盟」「鹿火屋」をへて「顔」(川村智香子主宰、瀬戸美代子名誉主宰)に属し、神奈川県現代俳句協会の要職にある方。顔賞を受賞し、同人会長を務めていらっしゃる。その第一句集で、東京四季出版、2024年1月発行。序文・跋文はそれぞれ川村主宰、瀬戸名誉主宰が丁寧...
中西さんは、現在「円座」(武藤紀子主宰)「秋草」(山口昭男主宰)「麒麟」(西村麒麟主宰)に所属し、俳句に熱意を燃やしながら、研鑽に務めておられるようだ。その第一句集で、ふらんす堂、2023年12月25日発行。序文は山口主宰。跋は武藤主宰・西村主宰が書かれている。...
坂本宮尾編『杉田久女全句集』の紹介文は先のブログ(12月12日版)で紹介した通りだが、今回はその「つづき」として、補遺Ⅰ,補遺Ⅱの久女の全句を読み、小生の好きな句を拾ってみたので紹介したい。著者坂本の労に感謝しながら読んで行った。...
浅川さんは31歳の若手俳人。西山睦さん(「駒草」主宰)の序文では、わずか5歳の時に俳句を始めたというから、英才俳人である。その証拠に、俳句四季の新人賞や芝不器男俳句新人賞を受賞し、2017年には東北にベースを置く「むじな」を創刊し発行人となっている。跋文は渡辺誠一郎さん。帯...
乾さんはまだ30歳代の若手の俳人。「吟遊」の同人で、「蘇鉄俳句会」などにも所属されている。世界俳句協会の会員。その第二句集で、2023年12月19日、砂子屋書房発行。 跋は早稲田大学時代のゼミの恩師内藤明さんが書かれ、あとがきからは、父が夏石番矢、母が鎌倉佐弓さんだと知った...
岩淵さんは同人誌「ににん」の創刊代表。句集『穀象』により詩歌文学館賞、『二冊の「鹿火屋」』にて俳人協会評論賞を貰うなど、論、作ともに能くなさる俳人である。その第七句集。ふらんす堂、2023年12月13日発行。ハーフトーンの表紙、261句という厳選された句の数、小生の好みに合...