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雑誌の眼鏡

栗林のブログ

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頓所友枝句集『秋へ書く手紙』

頓所さんは「沖」に平成6年に参加、爾来、30年間、能村研三、林翔両氏の薫陶を受け、珊瑚賞を授与されている重鎮である。俳人協会幹事をも務めている。第一句集『冬の金魚』に続く第二句集で、2023年3月1日、ふらんす堂発行。帯文は能村主宰。主宰は〈来し方に返り点欲し黒海鼠〉のほか...

名和未知男句集『妻』

名和さんは「草の花」の主宰。昭和七年のお生れだから、今年で九十一歳となられる。その第五句集で、花の句はもちろん、旅吟と酒と忌日の句が多くみられる。氏ご自身はとてもお元気であられるようだが、一昨年、奥様を亡くされた。「胸部大動脈剝離」とあとがきにあるので、一瞬のことであったろ...

マブソン青眼著『遥かなるマルキーズ諸島』ー句集と小説

著者のマブソンさんは、フランス生まれで、現在、長野市在住の俳人。金子兜太に師事し、「海程」から「海原」同人。「俳句弾圧不忘の碑」の筆頭呼びかけ人。句集『空青すぎて』で第4回宗左近俳句大賞受賞。一茶の研究でも知られている。...

林昭太郎句集『花曇』

林さんは、俳歴によれば昭和51年に「沖」(能村研三主宰)に入会、その後20年ほど作句を中断されていたようだが、平成16年に復帰された。それ以前も以後も、ずっと「沖」一筋のようだ。その第二句集。2023年2月23日、ふらんす堂発行。 自選15句は次の通り。...

柴田獨鬼句集『あかとき』

柴田さんは若くして詩に親しんでおられた。10年ほど前に「らん」(鳴戸奈菜発行人)にて俳句を始め、「港」(大牧広主宰)にも所属。詩人らしく、言葉に敏感な作品を収容している。文庫本の大きさの句集で300句ほど。齋藤愼爾さんの協力で成った句集である。2023年二月二十日、深夜叢書...

秦 夕美句集『雲』

秦さんの第十九句集である。以前から秦さんの表現意欲の旺盛さには驚いていた。しかし今回はさらに驚いた。ふらんす堂からの送付案内には「去る一月二二日に秦夕美氏は御逝去されました」とあるではないか。見本の校正刷りを観て戴いたのが最後だったとのこと。謹んでお悔やみ申し上げます。ふら...

飯田マユミ句集『沈黙の函』

飯田さんは平成15年に橋本榮治さんの俳句教室から俳句を始めた。父上が「馬酔木」におられた縁があったようだ。同人誌「琉」に入会、「枻」(雨宮きぬよ・橋本榮治代表)の創刊同人でもある。その第一句集で、2023年2月25日、コールサック社発行。...

嶌田岳人句集『ヴィーナスの唇』

興味をそそる句集表題につられてすぐに読んだ。軽妙な作品が多く、すらりと読めた。嶌田さんは「深吉野」(深沢暁子主宰)で俳句を始められ、「毬」(河内静魚主宰)の同人でもある。俳句四季新人賞を平成二十六年に受賞している。この句集は第二句集で、令和五年二月十日、文學の森発行。奈良県...

松本余一句集『懺悔室』

松本さんの略歴によれば、平成29年に俳句を始め、「ひろそ火」(木暮陶句郎主宰)に師事とある。それでいてこの句集は既に第四句集(俳句アトラス、令和5年1月30日発行)で、第二句集『ふたつの部屋』が昨年同日発行なので、一年で二冊の句集を出された。驚きである。それにしては、と言っ...

澁谷道さんのこと

澁谷道さんが亡くなられたことを、人づてに聞いた。懐かしく、残念であった。昨年暮れに亡くなられ、葬儀は1月7日だったとか。晩年は大阪から弟さんがおられる浦和に転居されて医療付きの施設に入っておられた。私も正木ゆう子さんのおすすめもあり、一度だけ家内とお見舞に行ったことがある。...

仁平 勝『永田耕衣の百句』

ふらんす堂の百句シリーズは、対象俳人の俳業を俯瞰するのにとても役に立つ。選ばれた百句の解説だけでなく末尾の小論が、いつも楽しみである。その例にたがわず、該著は難解派とされている永田耕衣を理解する上で、この上ない好著である。耕衣の俳句の特徴を見事に腑分けして見せてくれている。...

高山れおな著『尾崎紅葉の百句』

ふらんす堂の百句シリーズ。2023年1月10日発行。 尾崎紅葉の俳句を、村山古郷は「初期の談林調からやがて正風、あるいは日本派流に近づいた」といっているが、高山はそうではなくて「談林まがいの破調句も、一見すると日本派と見分けがつかないような描写型の句も、月並調のようなひねり...

高岡修句集『蝶瞰図』

著者高岡修さんは現代俳句評論賞、現代俳句協会賞などを受賞した俳人で、詩人でもある。該句集は第九句集。2022年12月15日、有限会社ジャプラン発行。 冒頭の句である。 008 食卓の明かるい死体と朝のミルク 出鼻から驚かされる。一筋縄には解けない句である。テキストを睨みそこ...

青麻香菊句集『蛍の夜」

小生がお世話している地元の「さつき句会」に所属しておられる青麻さんが句集を上木された。香菊さんは「山火」の福田蓼汀・岡田日郎主宰の流れを汲む俳人で、確かな叙景句を詠まれる方である。喜怒哀楽房、令和4年12月30日発行。 青麻香菊さんにはじめてお会いしたのは、学習院俳句会の吟...

向瀬美音句集『カシオペア』

向瀬さんは大輪靖宏さんの「上智句会」のメンバーで、山西雅子さんや櫂未知子さんの指導も受けておられ、かつ、フランス語圏の俳句協会にも所属しておられる。その第二句集。2022年12月24日、ふらんす堂発行。序文は大輪先生が書かれている。 自選12句は次の通り。...

池田澄子著『三橋敏雄の百句』

池田さんの該著、懐かしく、あるいは、こんなことだったのか、との驚きを含めて、興味深く読ませて戴いた。2022年12月1日、ふらんす堂発行。 006 かもめ来よ天金の書をひらくたび 010 労働祭赤旗巻かれ棒赤し この句を私は、メーデーが終わった後の景を詠んだ写生句だと思って...

西谷剛周句集『酔いどれ』

西谷さんは奈良の人。「幻」主宰で、奈良県俳句協会会長、関西現代俳句協会事務局長をされておられる。該句集は、幻俳句会句集シリーズ7にあたり、2022年5月発行。 小生が共鳴した作品は次の通り。 010 仕付け糸付けたるままの紋白蝶 013 鋤き込むやげんげにわかに匂い立つ...

岩田 奎句集『膚』

岩田さんは2020年の角川賞受賞者(21歳の最若年)。開成高校で佐藤郁良さんの指導を受け、俳句甲子園で優勝している。石田波郷新人賞や俳人協会新鋭評論賞をも貰っている。俳句界の若きサラブレッドである。「群青」に所属し、櫂未知子・佐藤郁良代表に師事。郁良さんの跋が随分と参考にな...

西池冬扇著『臼田亞浪の百句』ー寂しさの旅人

西池さんが『臼田亞浪の百句』を上梓された(2022年12月24日、ふらんす堂)。副題が「寂しさの旅人」である。 亞浪の句をゆっくりと読むのは初めてである。河東碧梧桐—大須賀乙字に繋がり、虚子とももちろん交流があった亜浪だが、「石楠花」を興し、3000にも及ぶ門下生を育てたに...

合同句集『あざみの』

家裁の調停委員の集まりで「八千草」(山元志津香主宰)の中の句会でもある「あざみの」の会のアンソロジーである。12名が自選各63句を持ち寄った。世話役の横川はつこうさんから送って戴いたので、早速読ませて戴いた。 みなさん熟達の俳人ばかりである。豊かな人生経験をベースに、来し方...

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