鈴木牛後句集『鄙の色』
鈴木牛後さんが、2019年から2023年までの372句からなる第四句集を出された。2025年5月30日、書肆アルス発行。 牛後さんは、2011年に「藍生」(黒田杏子主宰)に入られ、2016年には「雪華」(橋本喜夫主宰)に参加。2018年には角川俳句賞を受けられた。既句集に...
鈴木牛後さんが、2019年から2023年までの372句からなる第四句集を出された。2025年5月30日、書肆アルス発行。 牛後さんは、2011年に「藍生」(黒田杏子主宰)に入られ、2016年には「雪華」(橋本喜夫主宰)に参加。2018年には角川俳句賞を受けられた。既句集に...
金子さんは「出航」(森岡正作主宰)のひと。俳句の世界ではよく知られておられる方である。この句集、実に第七句集とのこと。その旺盛な表現意欲には脱帽である。2025年5月27日、ふらんす堂発行。 小生の感銘句は次の通り、多数に及んだ。 008 春浅し水栽培の根の真白...
神野紗希さんと野口る理さんが共同代表となり、俳句雑誌「ノイ」を創刊された。おめでとうございます。祝意を籠めて、 遥野集 と 野惟集 の作品から好きな句を抜き書きして、小生のブログにアップいたしました。ご笑覧ください。ただし、四句以上掲載されている作品から、好きな句が沢山あっ...
(2025年5月14日、高山さんのコメントに基づき改訂いたしました。) 高山れおなさんの句集『百題稽古』を読む機会を得た。高山さんは、多くの俳句業績によって、また「朝日俳壇」の選者として、よく知られている方。この句集は、高山さんが古典の世界から三種類の百首歌を選び、それを...
池田澄子さんの俳句教室(NHKカルチャーの青山教室)の十三人の仲間たちが「くらら」を創刊した。編集発行人は梶浦道成さん。2025年3月25日発行。 澄子さんが次の三句を寄稿している。 同じ世に生まれて春と思い合う 梅散って桜が咲いて風立ちぬ...
「草の花」主宰の名和さんが該著を上梓された。企業を引退されてから本格的に俳句に打ち込まれ、爾来30年経った。92歳になられても矍鑠と句会を差配し、門人を育てておられる。小生にとっては、お手本になる先達である。 第一句集『くだかけ』から『榛の花』『羈旅』『草の花』及び、第五...
著者、掛井さんは「小鹿」「鷹」「沖」を経て、現在は「くぢら」(中尾公彦主宰)の創刊同人。沖珊瑚賞や俳人協会俳句大賞を貰っている。その第四句集である。跋は中尾主宰が丁寧に書かれておられる。2025年4月29日、ふらんす堂発行。 自選15句は次の通り。...
大崎さんには沢山の著書がある。詩人で俳人、そして表現者である。「ウエップ俳句通信」などを発刊されておられる。 今回の著作は、多行形式の俳句に似てはいるが、そうではない。やはり三行詩であろう。省略が効いており、行間を埋めるには読者の想像力が必要である。だから、本書の鑑賞は、...
染谷さんは、「夏草」(山口青邨主宰)、「屋根」(斎藤夏風主宰)に学び、平成二十九年には「秀」を創刊され、主宰を務めておられる。かたわら、俳人協会理事事務局長をも務められておられ、句集に『誉田』「灌流」『息災』がある。この句集は、自註現代俳句シリーズ・第13期28とあり、令和...
福本さんは「天籟通信」の代表で、現代俳句協会の副会長でもあられる。その第四句集で、句集名「梨の木」は、〈還暦の少年梨の木を植えん〉からとられた。還暦の自分が、実がなるまでに十七年もかかるとされる梨の木を植えたことの意味を自問している。文學の森、令和七年三月十五日発行。...
彌榮さんは「銀化」(中原道夫主宰)のひと。2011年に「1%の俳句―一挙性・露呈性・写生」で群像新人文学賞を受賞しておられる。2025年3月3日、ふらんす堂発行。 自選句は次の15句。 小川から親子出てくる柳かな 麒麟草笑ひこらへて耳とがる...
長井さんは、「遊牧」(清水怜代表・塩野谷仁名誉代表)の重鎮で、現代俳句協会年度賞(第17回、2016年)受賞者。長らく「現代俳句」の編集長であられた。その第二句集で、2025年2月4日、現代俳句協会発行。一頁に3句収容、239頁、600句の渾身の句集である。...
永島さんは五十年も教育に携わり、俳句は「白魚火」「街」の同人。朔出版、2025年2月28日発行。長島さんは松江の人。個人的には何も存じ上げないのだが、好きな句が沢山あった。それでブログに挙げさせた戴いた。 自選12句は次の通り。一句目は「街」の今井主宰に褒められた句である...
林さんの第三句集(2025年1月15日、俳句アトラス発行)氏は1991年に角川春樹の「河」に入門。2021年、第一句集『ブリッジ』で俳人協会新人賞を受賞。2016年、「海光」を創刊し代表となっている。著作も多くある。 自選と思しき13句は次の通り。...
松岡さんが句集を出された。二〇二五年一月十日、交友プランニングセンター発行。新書版スタイルで、一頁に五句、一〇四頁の厚さ八ミリほどのもの。持ち運びしやすいサイズである。。謙遜されてか「句集以前」との前書きがある。 松岡さんにはその著作『小野蕪子管見』に随分お世話になった。...
髙田さんは『黒田杏子俳句コレクション』の1、2,3を発行され、また今回、新装版『玩具』『花実』およびこの『青麗』を出された(2025年1月11日、同日2冊を朔出版より発行)。 ここでは『青麗』から好きな句を抽出して小生のブログに掲げ、お礼としたい。...
中戸川さんは平成十二年から父中戸川朝人「方円」主宰のもとで俳句を始め、平成二十七年に季刊同人誌「残心」を創刊された。その第二句集で、二〇二四年十二月十五日、ふらんす堂発行。 自選句は次の十二句。 胸の子と影をひとつに初御空 退さりても退さりてもなほ花辛夷...
神田さんは、楸邨の「寒雷」で育った才媛。楸邨に係わる俳論を書いて現代俳句協会評論賞を受けている。また「われを去らず」三十句で同協会年度賞を貰っている。 今回の句集『われを去らず』は第一句集『虹』、第二句集『風船』とその後の作品の集大成で、思いの籠った第三句集である。202...
川島さんは坪内稔典さんのところで俳句を勉強し、「船団の会」散在後は「窓の会」の常連となる。2010年には滋賀県文学祭文芸出版賞をもらった。その第二句集。 2024年10月23日、朔出版発行。 自選15句は次の通り。 初喧嘩グラスをひとつ割るくらい...
鈴木わかばさんは、柏原眠雨主宰の「きたごち」などで俳句を学ばれた。その第一句集で、2024年12月1日、東京四季出版発行。序文は柏原さん。 手に取って気に入った。手に馴染むソフトカバーの四六版で、1頁にゆったり2句。天地ぞろい。装幀は髙林昭太さん。130頁で200句ほどを...