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雑誌の眼鏡

栗林のブログ

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宮谷昌代句集『竹の春』

宮谷さんは木田千女の「天塚」を継いだ主宰。師同様「狩」にも入会、その繋がりで「香雨」の創刊同人でもある。帯には片山由美子さんが「いつも前向きで明るい」と書いている。 自選12句は次の通り。 煩悩の数と思へり落椿 前へ行くときは前見てチューリップ...

清水伶句集『素描』

清水さんは「朝」「海程」の同人を経て現在「遊牧」の代表。現代俳句協会賞を受賞している。『素描』は第三句集である。2023年9月7日、本阿弥書店発行。 帯にはこの句集の題名になった〈鶏頭を素描にすれば荒野なり〉が引かれている。 自選12句は次の通り。 ぼうたんの狐雨なら母の景...

梶原美邦句集『旹の跡』(ときのあと)

結社「青芝」主宰梶原美邦さんの第三句集。「旹」(とき)という見慣れぬ文字に興味を持った。「特別なトキと日常のトキを併せた時間を時と申しますが、その痕跡のことです。(中略)私の詩に登場するすべてのものたちの光陰の模様という意を込めて『旹の跡』という名にしました」とある。思いの...

中岡毅雄句集『伴侶』

中岡さんは波多野爽波主宰の「青」を経て、「藍生」(黒田杏子主宰)、「椰子」(友岡子郷代表)に入り、平成三十年、「いぶき」創刊。今井豊氏と共同代表となる。俳人協会新人賞、山本健吉文学賞、俳人協会評論賞などを受けられた。論・作双方に定評ある俳人である。...

黒川悦子著『子規の小函』

黒川さんは正岡子規研究の第一人者で、子規研究の会・会長半田美永氏の序文によれば、「内藤鳴雪研究―子規と歩んだ俳句活動―」により、博士号を授与された、とある。かかる研究者であると同時に、「ホトトギス」同人で、かつ、「円虹」(故山田弘子が前主宰・現主宰は佳乃氏)の創刊に参加した...

太田土男著『大野林火―俳句鑑賞ノート』

著者太田は「濱」の大野林火、ついで松崎鉄之介に師事。一九九四年に大串章の「百鳥」創刊同人。濱賞、俳壇賞、俳句研究賞などを貰っている。現在「草笛」代表でもある。著作に句集や俳書が多い。該著は二〇二三年四月一日、百鳥叢書として発行されている。...

堀田季何著『俳句ミーツ短歌―読み方・楽しみ方を案内する18章』

著者は俳誌「楽園」主宰で、歌誌「短歌」の同人でもある。国際的活動を背景に、詩歌の評論と実作に長けている方。俳句では、芸術選奨文部科学大臣新人賞、現代俳句協会賞(句集『人類の午後』による)などを、短歌では石川啄木賞などを得ている。笠間書院、二〇二三年五月五日発行。...

内田茂著『蕪村の百句』

内田氏が季刊俳誌「青垣」(代表は大島雄作)に二〇一二年から十一年間に亘って連載したものに補訂を加えたもの。蕪村の全約三千句から著名な句を含め、一〇五句を解説している。表紙には国宝の蕪村画「夜色楼台図(部分)」が使われている。ふらんす堂、二〇二三年八月一日発行。...

神野紗希著『もう泣かない電気毛布は裏切らない』

神野さんが、日本経済新聞の夕刊などに2018年から寄稿していたエッセイを集めたもので、文庫本版が2023年2月10日に、(株)文藝春秋から発行された。 神野さんは、良く知られているように、四国松山のお生れで、俳句甲子園を機に、活躍されておられる才媛である。なんといっても〈起...

柿本多映句集『ひめむかし』

赤尾兜子、橋閒石、桂信子に師事した柿本多映さんは、個性豊かな俳句を詠み続け、2020年に蛇笏賞を貰われた。この句集『ひめむかし』は、その後の句集である。ただし、この句集のために残しておいた以前の作品をも入集してある。虫と草をあしらった表紙画が素晴らしい。メトロポリタン美術館...

中内亮玄句集『北国幻燈』

中内さんは「海程」に所属し、2012年に「海程」新人賞と現代俳句新人賞を受け、現在、俳諧旅団「月鳴」主宰、福井県現代俳句協会会長を務めておられる。その第三句集で、令和五年八月十六日、」狐尽出版発行。 小生の気に入りの句を挙げさせて戴こう。 006 膕のやさしい昏さ春の妻...

仲 寒蟬句集『全山落葉』

仲さんは大牧広主宰の「港」に学び、2005年に角川俳句賞、14年には第二句集『巨石文明』で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受けている。現在「牧」「平(ふらつと)」の創刊代表で「群青」の同人。その第三句集である(ふらんす堂、2023年7月20日発行)。栞は櫂未知子さん(「群青」代...

大関博美著『極限状況を刻む俳句―ソ連抑留者・満州引揚げ者の証言に学ぶ』

大関さんは千葉県の温暖な在に育った。父は、戦後、ソ連に抑留され、苦難をこえて昭和二十三年十月に舞鶴に帰還した。苦労のことは語らなかったそうだ。 シベリアの父を語らぬ防寒帽   博美 第一章は、日清・日露からアジア・太平洋戦争までの歴史を振り返りながら、何故、ソ連が日ソ中立条...

大島英昭句集『人参の花』

大島さんは俳歴20年の人。結社「やぶれ傘」で大崎紀夫主宰の指導を受けてきた。日本俳人クラブ賞を貰っている。その第三句集で、2023年6月30日、(株)ウエップ発行。 自選十句は次の通り。 斑鳩の塔が見えだす秋ざくら しをり紐のたくるページ花疲れ 冬の日がブロック塀の穴を抜け...

吹野仁子句集『句読点』

吹野さんは「野の会」「鷗座」を経て現在「ぶるうまりん」(山田千里代表)の同人。その第三句集で2012年からの11年間の作品を収めた。2023年6月23日、ぶるうまりん叢書。新書版大で、スリムで、余分なものの一切ない装幀である。しかし、俳句表現の要件はキチンとそろっている。跋...

山口昭男句集『礫』

山口さんは「青」(波多野爽波主宰)や「ゆう」(田中裕明主宰)を経て「秋草」の創刊主宰であられる。平成29年には読売文学賞を貰っている。その第四句集で、ふらんす堂、2023年6月21日発行。 自選十五句は次の通り。 置くやうに花びら落とすチューリップ...

吉村元明の自分史「人生は『邯鄲夢の手枕』」

吉村さんは神奈川県現代俳句協会の幹事で、「ロマネコンティ俳句ソシエテ」会員。副題に「目で観る句集 & 自分史」とあり、本文は横書きで大量のカラー写真を取り込んでいる。大型版(縦30センチx横21センチ)の上質紙製でユニーク、渾身の一書である。文學の森、令和五年四月十二日発行...

橋本榮治句集『瑜伽』

橋本さんは黒田杏子さんが急逝されるとは露思わず〈龍太亡き居間をつらぬく縅銃〉を詠んだに違いない。この句集『瑜伽』(ゆうが)の脱稿直後に杏子さんは、龍太が亡くなったとおなじ病院で急逝した。跋に杏子さんは「橋本榮治さんは私のもっとも信頼する友人のおひとり。その人が句友でもある事...

池田澄子句集『月と書く』

池田澄子さんは超有名な作家だから紹介するまでもない。前句集の第七句集『此処』の蛇笏賞は惜しかった。今回の句集『月に書く』は第八句集に当るのであろう。同じ朔出版、2023年6月7日発行。 自選と思われる12句は次の通り。 春寒き街を焼くとは人を焼く...

長谷川耿人句集『国芳の猫』

長谷川さんは「春月」(戸恒東人主宰)の重鎮で、「春月」のたくさんの賞を貰っておられる。その第三句集で、本阿弥書店、令和五年六月十四日発行。帯文は戸恒主宰。「耿人俳句の五十代の作品の宝石箱」だとある。表紙の国芳の猫の絵が面白い。 自選14句は次の通り。...

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