雑誌の眼鏡

栗林のブログ

 

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池田澄子著『本当は逢いたし』

池田さんの随筆集である。日本経済新聞社出版本部、2021年12月1日発行。60余篇からなる、池田さんの来し方、日常、俳句などにかかわる、軽やかな筆致のエッセイである。このほど読み終わったので、共感した部分、派生的に思い起こしたことなどを、思いつくまま書いておこう。...

細谷喨々句集『父の夜食』

平明でユーモラスな句が多く、愉しい気分で読み終えた句集でした。 細谷さんは在学中に石川桂郎に師事、昭和45年に「風土」同人。その後「一葦」の創刊同人。現在は「件」同人。これは第三句集で、氏には、エッセイ集や坪内稔典・仁平勝との共著『句の一句』など、多くの著作がある。氏は確か...

龍 太一句集『HIGH QUALITY』

驚きの句集である。新記録の句集である。 句集の題名が一風変わっている。あとがきを要約すれば「(入集されている)作品は選者の方々への深甚なる敬意と、一句一句に生命を吹き入れられたもととなる〈品格〉ある選句への深い謝意を表明させていただくものである」とある。...

谷口智行集

谷口さんは結社「運河」(茨木和生主宰)の副主宰。紀南医師会の副会長でもあられる。三冊の既刊句集から自選300句を収録して『谷口智行集』を編んだ。令和3年12月1日、俳人協会発行。各句に短い自註が付されている。 氏は800頁もある俳句関係の小論集『窮鳥のこゑ』を、書肆アルスか...

赤野四羽句集「ホフリ」

俳句の文学性を追求する句集である。 赤野さんは現代俳句新人賞を受けられた気鋭の俳人。すでに句集を二冊出されており、これは第三句集である。2021年9月30日、RANGAI文庫発行。 自選と思われる10句は次の通り。(注記:赤野さんからのメールで、下記は自選ではなくRANGA...

戸恒東人句集(2)

国の内外を旅して詠まれた佳句が多い。 戸恒さんは「春月」の創刊主宰。俳人協会の理事長をも務められた。氏の第四から第六までの句集から300句に絞って入集し、自註を加えてある。2021年12月1日、雙峰書房発行。 旅吟以外に、戸恒さんらしい深い蘊蓄から生まれた作品も多く見られる...

青池 亘 句集『海峡』

微笑ましい吾子燦燦の句集である。 青池さんは「百鳥」(大串章主宰)に平成7年入会し、現在同結社の同人。俳句甲子園で徳山高校を優勝に押し上げるなど、山口県の俳壇をふくめ、おおいにご活躍である。その第一句集(東京四季出版、令和三年十二月二十三日発行)。...

髙橋紀美子句集『天空の星』

見識の句集である。 髙橋さんの第一句集(ふらんす堂、2021年12月6日発行)。2000年に有馬先生の「天為」に参加、のち「未来図」にも加わっている。有馬先生には句集を出すことを了解戴いていたが、急逝されたのがショックであったらしい。〈師の一句一句を胸に枇杷の花〉が自選句に...

鳥井保和遺句集『星雲』

鳥井さんが亡くなられたのは令和2年11月3日。和歌山で「星雲」を立ち上げられてから12年後のこと。山口誓子直系の俳人だった。小生は、ときどき俳人関係のパーティでその温顔に接し、会話を楽しんだものだった。古希寸前のご逝去でした。...

松林尚志著『詩歌往還―遠ざかる戦後』

縁があって、松林さんから該著(2021年11月12日、鳥影社発行)を戴いた。俳論の多い氏は、実は詩人でもあられる。句集、詩集ともに三冊ずつ、俳句評論は十数冊に及ぶ。小生は、前衛俳句について書く際に、松林さんの初期の評論『古典と正統』を、大いに参考にさせていただいたものである...

蜂谷一人著『ハイクロペディア』

蜂谷一人(はつと)さんが『ハイクロペディア』を出された(本阿弥書店、令和三年十一月二十九日発行)。初心者句けの俳句のエンサイクロペディア(百科事典)である。一般に百科事典は読み物風ではない。しかしこの著は読物的であり、それぞれの項目に蜂谷さんの蘊蓄がエッセイ的に詰め込まれて...

俳誌「りんどう」650号記念号

「りんどう」(藤岡筑邨主宰、松本市)の650号(2021年11月号)を記念する号が出版された。600頁におよぶ大作である。小生は、藤岡主宰が98歳になられることを存じ上げていなかったので、いたく感動を覚えた。そしてその熱意に敬服している。...

土屋秀夫句集『鳥の緯度』

土屋さんは「山河」(山本敏倖代表・松井国央名誉代表)の同人。平成29年度の山河賞を受けておられる。俳句は小沢昭一(俳号=変哲)の「水酔会」、早稲田の「西北の森」などで研鑽を積んでこられた。『鳥の緯度』は氏の第一句集(2021年11月12日、山河叢書・青磁社発行)である。...

植田いく子句集『水でいる』

植田さんは「山河」(山本敏倖代表、松井国央名誉代表)の同人。2011年に「山河賞」を受けている。序文は松井さん。氏は、 薄氷の一歩手前の水でいる 葱刻むような音する別れかな 芹の水未生の我に会いに行く などを挙げ、植田さんにもとより備わっている「物や事柄に対する知性に裏付け...

池田義弘句集『鳥雲に』

池田さんは昭和31年から俳句に親しんでおられる。「寒雷」には昭和47年に入り、終刊まで留まっておられた。現在は「街」の創刊同人、「暖響」の同人でもある。福島県の文学賞や福島県出版文化賞を貰っている。その池田さんの第三句集である(令和3年11月1日、文學の森発行)。...

永田満徳句集『肥後の城』

永田さんは人吉市生まれ。「未来図」の鍵和田秞子主宰に師事、新人賞などを受けられ、俳人協会幹事、熊本県の俳句関係協会などでご活躍である。現在、藤田直子主宰の「秋麗」同人。文學の森、2021年9月27日発行、第二句集に当る。...

森田廣句画集『出雲、うちなるトポス』Ⅲ

同名の句画集の三冊目である(2021年10月10日、増田まさみさんの霧工房発行)。森田さんは島根県安来の人で、俳歴70年の方。島根県現代俳句協会会長や現代俳句協会理事などを歴任、『鬣TATEGAMI俳句賞』などを受けておられる。...

豊里友行句集『ういるす籠り』

豊里氏が句集『ういるす籠り』を出された(沖縄書房、2021年10月31日発行)。アンソロジー『新撰21』を別にして、第四句集に当るであろか。氏は写真家でもあり、沖縄の日常を多くの写真集にまとめている。 今から10年前、筆者は「俳句界」に新鋭俳人を取材する連載を書いていたが、...

武馬久仁裕著『俳句の深読み』

武馬さんの俳句関係の著作は十数冊に及ぶ。この『俳句の深読み』は、俳句に関する20数篇のエッセイから成っている(黎明書房、2021年10月10日発行)。俳句における言葉遣いについての論が多い。「漢字、ひらかな、カタカナ」、「上にある言葉は大きい」、「重ね言葉」などに係わる小論...

奥坂まや句集『うつろふ』

奥坂さんの第四句集である(ふらんす堂、2021年7月16日発行)。氏は昭和61年に「鷹」(藤田湘子主宰)に入会。鷹新人賞、鷹俳句賞、俳人協会新人賞などを受賞しておられる実力俳人である。表紙の「うつろふ」の印字は、大きな平仮名で、斜めに、上部の灰色がかった色調から、下右に行く...