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雑誌の眼鏡

栗林のブログ

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大石 恒夫 「夢」を読んで

『俳句の杜』2022 精選アンソロジーより 大石さんの作品100句は「夢」というショート・エッセイから始まる。「夢」にかかわる芭蕉・兜太・完市などの著名な俳句を挙げ、その中に次のような作品を交え、 夢殿をまた通り過ぐ春の夢   塩野谷仁...

『訴歌』―ハンセン病療養者の短歌・俳句・川柳

この著書を友人から紹介されたのが、ついこの間であった。2021年4月26日(皓星社)発行なので、遅きに失した感があるが、ある事由から、後付けの批判を覚悟しながら、敢えてここに取り上げることにした。 その事由とは、小生もハンセン病療養者には関心があり、その不当な扱われ方と、忍...

鴎座創刊二十周年 鴎座合同句集3「絆」

鴎座の主宰松田ひろむさんからアンソロジーを戴いた。創刊二十周年の事業として、記念祝賀会を考えたが、新型コロナのせいで、中止せざるを得なかった。そのかわり、合同句集を発行することとして、その名を『絆』とされたようだ。2022年8月1日、鴎座俳句会発行。...

横山遊那子句集『山の子』

横山さんは名和未知男主宰の『草の花』の同人で、「草の花新人賞」「草の花賞」を貰っておられる。序文では名和主宰が、実に多くの佳句を挙げている。その通り、集中、一句目から最後の句まで、完成度たしかな句が並んでいる。自選句が帯に10句挙げられているが、小生はそのうち6句を戴いてい...

林 誠司著『俳句再考―芭蕉から現代俳句まで』

林さんは「俳句四季」と「俳句界」の編集長を経て、「海光」の創刊代表、出版社「俳句アトラス」の設立者でもある。 該著は、初心者から中級者に亘って、読みたくなる俳句の疑問点・テーマと言ったものを通説と私説とを含めて解説している。...

髙田正子著『黒田杏子の俳句』(その2)

該著紹介の後半として、第二章 黒田杏子の〈櫻〉 第三章 黒田杏子の〈月〉 さらに 第四章 黒田杏子の〈家族〉 と読んで行く。 第二章 黒田杏子の〈櫻〉 該著の三一七頁から三七一頁に亘って、もっぱら杏子の「櫻」の句を訪ねている。...

根来久美子句集『たゆたへど』

根来さんは大輪靖宏先生の「上智句会」や「若葉」(鈴木貞雄主宰)をへて、現在、「ソフィア俳句会」と「すはえ」の代表を務めておられる。その句柄は自選句から分かるように、あくまでも静かに対象を見ての句が多い。境涯や社会批判は少ない。大輪先生やそのお仲間の句柄もそうなのであろう。...

和田順子句集『皆既月蝕』

和田順子さん「繪硝子」主宰の第六句集である。句集『流砂』で第19回横浜俳話会大賞を貰っている。令和四年九月二十日、ふらんす堂発行。 自選句は次の15句。 いくそたびその名問はれて翁草 石積の集落どこも枇杷熟れて ジーンズに脚入れて立ち夏は来ぬ 炎天を歩む失ふものは無く...

髙田正子著『黒田杏子の俳句』

五百頁をゆうに超える大著で、これに年譜を添えればまさに「黒田杏子ハンドブック」完成である。「黒田杏子百科事典」と呼んでもいいかも知れない。黒田の俳句作品をあまねく集めてある。それだけでなく、主要な季語に係わる作品群には、師の山口青邨や、他の俳人の著名な作品をも紹介し、ところ...

豊里友行句集『母よ』

豊里氏とは、もう二十年も前になろうか、小生が若手の俳人を取材し、インタビュー記事を「俳句界」に連載していたころ、沖縄をたずねてお会いしたのが初めてであった。そのとき、写真家でもある氏は、小さな洋菓子店の一隅で写真の個展を開いていた。沖縄の人と風景の写真展であった。その句柄は...

伍藤暉之句集『BALTHAZAR』

畏友伍藤暉之氏は令和四年一月、八十一歳で亡くなられた。草田男門の磯貝碧蹄館の高弟で結社「握手」の重鎮であった。俳句の何たるも知らない小生は、初学から随分とお世話になったものである。 伍藤氏は、仲間内でも大の読書家であり、泰西の文学に詳しい「芸術派」であった。だから俳句も俗な...

伊丹啓子句集『あきる野』

「青玄」の後継誌「青群」の創刊編集発行人であった伊丹啓子さんの第三句集である(2022年8月22日、沖積舎発行)。 偉大なる表現者伊丹三樹彦・公子を父母とする啓子氏の、父恋・母恋の句集である。もちろん、そのほかをモチーフとした句も多いのだが、私の胸に迫ってくる作品は、それら...

古志青年部作品集2022

今年もまた「古志」青年部長の石塚直子さんより、『古志青年部作品集』を戴いた。ひとり12句ずつのアンソロジーだが、中から一句ずつを選ばせて戴いた。 麦青し空が自由でありしころ    イーブン美奈子 母の恋祖母の恋きく葛湯かな      石塚 直子...

山本一歩句集『春の山』

山本一歩(「谺」主宰)さんの第六句集である。2022年8月20日、本阿弥書店発行。山本さんは、角川俳句賞、俳人協会新人賞、横浜俳話会大賞などを受賞しておられる。 この句集、極めて平易に書かれた句ばかりである。あとがきに「俳句は平明な言葉で、見えるように、美しく」と書かれてい...

栗林浩句集『SMALL ISSUE』

今年の六月、第二句集を上梓致しました(本阿弥書店、2022年6月15日発行)。 編年体でなく、文庫本のサイズにするなど、すこし拘りのある句集でした。あとがきに、次のように書きました。 あとがき 私の第二句集です。二〇一九年から三年間の作品を、第一句集『うさぎの話』と同数の二...

藤原龍一郎『抒情が目にしみる―現代短歌の危機(クライシス)』

藤原さんの該著(2022年9月1日、六花書林発行)を読む機会をえた。 塚本邦雄、福島泰樹らに多くの紙幅をさき、高瀬一誌、蒔田さくら子、永井陽子にも触れている。 塚本については、第十四冊目の歌集『豹變』(一九八四年)が、彼の大変貌を遂げる時機の歌集であるという。ついで、第十七...

三輪初子句集『檸檬のかたち』

句集のうしろの略歴を見て驚いた。小生と同郷であった。私より三才年下だから、小中高校のいずれかが一緒だったかもしれない。このことは句の鑑賞に関係のないことながら、どうしても共時性を求めながら読んでしまう。 氏は30年以上の句歴を持っている。「童子」「みすゞ」「や」から石寒太主...

飛鳥もも句集『壺中の蝶』

飛鳥ももさんは、あえて言えば市井の一俳人である。しかもかなり熱心な俳句愛好家であるようだ。跋を坂口昌弘氏が、丁寧に書いているのだが、それは飛鳥さんが坂口著『ヴァーサス日本文化精神史』を読んでいたく感銘し、懇請したからであったようだ。あとがきに彼女が「何一つ賞歴もバックアップ...

工藤 進句集『羽化』

工藤さんは北海道生まれで、俳句は「沖」で始められ、「河」で新人賞、「河」賞、「河」銀河賞を取られ、無鑑査同人。「くぢら俳句会」の副主宰であられる。『羽化』は第二句集で2022年7月28日発行。跋文は中尾公彦さん。 自選12句は次の通り。 朧夜のフレスコ画より櫂の音...

栗林智子句集『さはやか』

第二句集である。令和四年七月七日、喜怒哀楽書房発行。著者略歴に、1999年「白露」(廣瀬直人主宰)に参加、白露賞、エッセイ賞などを受賞、2008年「白露」同人、白露評論賞。2012年「白露」終刊、「郭公」(井上康明主宰)の創刊同人として参加。第一句集に『さきがけ』(ふらんす...

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