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雑誌の眼鏡

栗林のブログ

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栗林智子句集『さはやか』

第二句集である。令和四年七月七日、喜怒哀楽書房発行。著者略歴に、1999年「白露」(廣瀬直人主宰)に参加、白露賞、エッセイ賞などを受賞、2008年「白露」同人、白露評論賞。2012年「白露」終刊、「郭公」(井上康明主宰)の創刊同人として参加。第一句集に『さきがけ』(ふらんす...

戸恒東人句集『旗薄』

「春月」主宰の第十一句集である。表題の「旗薄」(はたすすき)は〈防人の征きしこの道旗薄〉からとられた。東国からの防人たちは筑波山麓の薄の生い茂った道を通って行ったに違いなく、柿本人麻呂の『万葉集』に出典があるようだ。戸恒さんの出身地にかかわる一句である。雙峰書房、2022年...

遠藤風琴句集『春が来て』

026 風光る母校に山路めくところ 038 島どこも教会のあり鐘澄めり 046 湯気立てる人形焼や町小春 056 猫が好き俳句大好き風生忌 065 牡丹の今にも解けてしまひさう 067 紫陽花のだらだら坂や海展け 078 編笠の紅紐艶に風の盆...

野乃かさね句集『瑞花』

野乃さんは「百鳥」から太田土男主宰の「草笛」に所属した方。栃木の北部にお住まいだ。その第二句集である。風土に根ざしたたしかな作品が多い。ご自分も病を得ながら、この句集の境涯性はそれほど深くない。そこに救いがある。むしろ、硬質な抒情性に満ちた作品が多く、それが魅力だといって良...

前川弘明句集『蜂の歌』

前川さんは「海程」の創刊同人で、海程賞など多くの賞を受けておられる。西九州現代俳句協会の会長でもあられる。その第六句集で、2022年7月1日、拓思舎発行。 帯には次の14句が抜かれている。 梅林を行くたましいの冴えるまで はればれと赤子ころがす春の芝...

山本こうし句集『マズルカ』

山本こうしさんの句集『マズルカ』。一〇〇頁に満たない文庫本サイズの瀟洒な句集である。小生も最近このサイズの句集を出したので、興味を持った。句数が少ないのも厳選の結果と思えば、納得できる。あくまでも個人的な好みであるが、一頁に二句なのもよい。二〇二二年六月三十日、喜怒哀楽書房...

山田千里句集『ミルク飲み人形』

山田さんは須藤徹を継いだ俳誌「ぶるうまりん」の代表であられるから、ややシュールな難解句ばかりかと身構えたが、平明で抒情性・青春性豊かな句が多くあった。 あとがきを読んで、ご母堂を介護しておられたこと、かつ、表題となった「ミルク飲み人形」はその御母堂のことであると知り、感動を...

越智友亮句集『ふつうの未来』

越智さんは現在31歳の新鋭で、すでに「新撰21」や「天の川銀河発電所」に入集されている作家である。序文は池田澄子さんが、越智さんとの初対面から、上京し師事されるまで、およびそれ以降の経過をこまかく、情を込めて書いている。読んでいて楽しい。左右社、2022年6月23日発行。...

『稲畑汀子 俳句集成』

稲畑汀子さんは2022年2月27日に亡くなられた。「朝日俳壇」の選者を勇退されておられたので、心配していたのだが、まさに巨星墜つの感があった。 この『集成』は、2022年5月20日、朔出版によるもの。500頁をゆうに超える『集成』に80年の句業が収められている。栞には、宇多...

小林たけし句集『裂帛(れっぱく)』

小林さんの俳句は、栃木県現代俳句協会の和田浩一会長や「地祷圏」の石倉夏生代表のもとでの薫陶から始まり、「遊牧」(清水怜代表、そのころは塩野谷仁氏が代表)に参加され、この句集に結実した。表題は次の句に因んでいる。 188 裂帛の少女の声や寒稽古...

半澤登喜惠句集『耳寄せて』

短歌をたしなんでおられた半澤さんが俳句を始めたのは20年以上も前。「街」(今井聖主宰)に入られた。2004年には同人に推挙されている。 序文は今井主宰が「緑陰の子等に主従の無かりけり」と書けば、それは純粋な子どもたちに対する通念そのものとなるが、半澤さんは「024 緑陰の子...

伊藤春静句集『巡る』

伊藤さんは、お名前からしてご婦人かと思ったら男性であった。しかも、現役を退いてから俳句に集中されたようだ。その点、小生と似ている。序文は「毬」主宰の河内静魚さん、跋は滝本結女さんで、お二人ともそろって伊藤さんの人柄を丁寧に紹介している。それによると、伊藤さんは「実業の世界で...

小川楓子句集『ことり』

小川楓子さんは2008年から「海程」に参加し金子兜太主宰に師事、2010年には山西雅子の「舞」創刊時に入会。海程新人賞、舞賞など受賞。『超新撰21』にも参加。若手のホープである。この句集、表紙は明るく落ち着いた茶系の無地に近いもの。それだけに自己主張を抑えた印象がある(内容...

鈴木光影句集『青水草』

鈴木さんの句集『青水草』は、コールサック社が2022年5月30日付けで発行した氏の第一句集である。「沖」(能村研三主宰)と「花林花」に所属し、2017年には、登四郎と六林男に関る評論で、俳人協会新鋭評論賞を貰っている気鋭の俳人である。...

『大牧広全句集』

大牧広さんの全句集を読む機会を得た。全句業を俯瞰できる高著である。ふらんす堂、2022年4月12日発行、仲寒蝉、小泉瀬衣子編集。 栞は、次の四人の方々が書かれている。 高野ムツオは、俳句は弱者の文学だと言った佐藤鬼房を引き「大牧広にもこれに通ずるものがある。(略)広は戦後の...

結社「海鳥」の合同句集―第七十号記念

まず「海鳥」の川辺幸一代表の急逝を心からお悔やみ申し上げます。コロナ禍が小康状態となったため、新百合ヶ丘で俳句の行事が催されました。そこで川辺さんにお会いできると楽しみしていたのですが、多分その日に亡くなられたのだろうか、お会いできなかった。...

梅津大八句集『梅ひらく』

梅津さんは、山本一歩主宰の「谺」の創刊同人で、現在は同人会長。俳句は30年も前に、小林康治「林」主宰のときから始めている。文學の森、令和四年五月八日発行。 冒頭に山本一歩主宰の祝句がある。集中の〈梅咲いて特に主張は無かりけり〉を受けたものであろう。...

堀本裕樹句集『一粟』

この句集を読みながら私は、堀本さんが第一句集『熊野曼荼羅』で俳人協会新人賞を取られ、颯爽と俳壇にデビューしたころを懐かしく思い出している。東大のキャンパス内にあるレストランで出版記念の会があり、出席したこともあった。 『一(いち)粟(ぞく)』はその後十年の第二句集。2022...

高柳克弘句集『涼しき無』

高柳克弘と言えば、句集『未踏』(2009年6月22日、ふらんす堂発行)の ことごとく未踏なりけり冬の星 くちびるのありてうたはぬ雛かな などのイメージが私の胸底に沈着している。だから今回の『涼しき無』(2022年4月27日、ふらんす堂発行)を一読して私は、この句集は求道の士...

松野苑子句集『遠き船』

松野さんの第三句集。角川文化振興財団、2022年4月15日発行。彼女は、「街」(今井聖主宰)の同人会長で、2016年に角川俳句賞を貰っている。俳歴50年ほどで、2009年から21年にっけての作品を収めている。 自選句は次の10句。 春の日や歩きて遠き船を抜く...

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