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「きたごち」終刊号




 柏原眠雨主宰の「きたごち」が405号を以てこの12月に終刊した。該号は「きたごち回想」を特集。眠雨氏の「俳句は実景の写生が基本である」から始まる終刊所感や、会員番号957の会員迄の有志の回想を、エッセイとして載せている。全174頁。

 末尾の「きたごち年譜」は昭和60年から始まっているが、創刊は平成元年4月であった。祝辞は沢木欣一、題簽は細見綾子、全24頁。

 柏原一家は、夫人の日出子さん、お嬢さんの佐々木潤子さんも俳人であられ、潤子さんは「しろはえ」の代表でもあり、「きたごち」終刊後はそちらに力を入れられるのであろう。期待している。同氏は最近第二句集『春満月』を上梓された。

 「きたごち」に関する個人的な記憶がある。「きたごち」が、東日本大震災を振り返って、誌上に発表された会員の震災関係の俳句作品を2444句まとめ、「大震災の俳句」として上梓されたのであったが、それをつぶさに読ませて戴いたことがある。次の句はそのごくごく一部である。


  泣きながら吸ふ避難所の蜆汁      柏原眠雨

  避難所に回る爪切夕雲雀

  避難所に配るあんパン若楓      柏原日出子

  炊き出しの最後はカレー春満月    佐々木潤子

  震災の語部となる蜆売        及川奈奈夫


良い仕事を成されたと思っている。永い間ご苦労様でした。


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