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「風琴」創刊




 俳誌「らん」(発行人は鳴戸奈菜であった)が終刊したあと、有志が集まってこの「風琴」を、2024年3月に立ち上げた。同人の柴田獨鬼氏の句集『あかときの夢』と、西谷裕子氏の『記憶の糸』が特集されている。前者については、小生のこのブログの2022年2月17日版に載せてある。

 創刊を祝し、各同人の作品20句から、一句ずつを抜き出して紹介しよう。


  モネの青につつまれて雲がゆく     五十嵐進

  箱庭に小さな夫山笑う          M・M

  風花を摑む戯れ友は亡く       佐藤すずこ

  秋ゆふべ膝を抱へて悲しまず      柴田独鬼

  冬日さす鷹女の句碑に「嫌ひ」佇つ   関根順子

  冬ざれの誰も戻らぬ小徑かな       月 犬

  えんどうの花は母です若き日の     西谷裕子

  木枯しと音合せする夜泣石       三池 泉

  満月の声と思わば心弾む        矢田 鏃

  バス停の蝗に傘をさしにけり      結城 万

  杉の香に雪の香まじる四日かな     皆川 燈


 「風琴」のご発展を願っております

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