
今年もまた「古志」青年部長の石塚直子さんより、『古志青年部作品集』を戴いた。ひとり12句ずつのアンソロジーだが、中から一句ずつを選ばせて戴いた。
麦青し空が自由でありしころ イーブン美奈子
母の恋祖母の恋きく葛湯かな 石塚 直子
はじめから奥の桜を見てをりぬ 市川きつね
うららかやひとりぼつちの保健室 魚返みりん
一茶忌や母あることを有難く 関根 千方
一つでは鶯餅はさびしさう 高角みつこ
寺町に練る墨の香よ花樗 髙橋真樹子
短夜を短く寝ねて髭の濃し 竹下 米花
梅が香に下げては戻すマスクかな 田村 史生
酒豪ありどこの新酒を贈らうか 丹野麻衣子
爽やかに腹切られ子の飛び出せり 辻 奈央子
雲丹の棘海を探してゐるらしく 西村 麒麟
それぞれの手に仏あり繭を煮る 平野 皓大
ぜんざいや初雪にして春の雪 藤原 智子
睡蓮や歩いてみたき水のうへ 森 凛柚
風船を持つ人すこし持ち上がる 吉冨 緑
蘭鋳や振り捨ててゆく夢のいろ 渡辺 竜樹
有難う御座いました。一句に絞るのが難しかったです。
来年も楽しみに致しております。
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