俳誌「深花(しんか)」が創刊されたので紹介しよう。発行人兼編集人は大木雪香さんで、発行所は川崎市中原区。季刊。「小熊座」の渡辺誠一郎さんが相談役を、林誠司「海光」代表が顧問役につかれておられる。大木さんの挨拶文には「深花」と名付けた訳が書かれている。「進化」「真価」「深化」に通じる意味を込めてそうしたようだ。「花」の文字を入れたところが良かったと、小生は思った。
祝辞を寄せた渡辺さんによれば、大木さんは、日本詩歌句協会賞の随筆、短歌、詩、俳句の全部門において、協会賞、優秀賞、奨励賞を貰っておられるし、北斗賞の際も「彼女の感性の良さに驚いた。他の俳人の作品とは明らかに違い、どこか危なっかしい言葉の斡旋が逆に新鮮で、いわゆる古臭い俳句的な匂いからは、免れているところにひかれた」とある。
林さんの挨拶によれば、大木さんは、「海光」の編集長をも務めておられ、やはり、幅広い器の俳人だ、と認識しておられたようだ。
メンバーの作品を、創刊(冬)号から各一句ずつを引かせて戴こう。
寒椿海に光を与へけり 大木雪香
糸底の手にざらつける霜夜かな 河村仁美
暁の玻璃に広がる霜の花 児玉みさを
吊革の手の若くみえ休暇明 松本余一
焼くほどに幸せ香る茸かな 森田遊馬
相傘に音なくなりし時雨かな 藤森赤白
見上げれば梢の震え寒雀 溝口奥良
病み上り傘に重たしボタン雪 内藤頭白
ポインセチア聖夜の前のすまし顔 佐藤華咲
ご発展を期待致しております。
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