皆様から拙句集『SMALL ISSUE』に対するご意見を沢山頂戴いたしました。ここにその結果を纏めさせて戴き、お礼の気持ちを込めてご報告させて戴きます。
栗林 浩
令和4年12月吉日
記
句集上梓(令和4年6月)以降半年がたちました。お仲間や、総合俳誌、新聞、結社誌のほか、実に多くの方々から、沢山のお便りやご批評を戴きました。お一人が1句選んで下さった場合を、1人句と数えましたら、その総数は、合計2517人句となりました(お一人が5句選んで下さった場合は5人句と勘定しました)。その人句数に応じて20句を並べてみますと、次のようになりました。お目にとめて戴けた作品の頻度の順番といえます。
句集の帯に揚げました自選句12句と比較しますと、自分の独りよがりの度合いが見えてきました。たいへん有難う御座いました。
人句 作品 (*)印は自選12句
74 わたくしを捜す放送秋の暮(*)
41 ゲルニカにただ一輪の帰り花
33 今年また柱の増ゆる原爆忌(*)
31 樺忌やガラスの靴の割るる音
29 水が水に優しくなりて水ぬくし
29 着膨れて立売の手に「BIG ISSUE」(*)
28 数へ日の街に熊出て撃たれけり(*)
28 国後見えて国境見えず鳥渡る
27 ががんぼはとまつてはじめてががんぼ(*)
23 そらまめやうねびみみなしうすみどり
23 唖蟬も鳴きたからうに摩文仁丘
23 東京は花なき剣山銀杏散る(*)
22 そののちのマリアを知らずさくら貝
21 障子貼る糊が余つてしまひけり(*)
21 花野出るときの寂しさ捺印は
21 たましひが靴そろへたる花の下
20 梅の香やふだんは天動説である
20 竜飛崎雪は下から降るといふ
20 有馬先生ホットワインが冷めますよ
20 こころにも水渡らせて螢待つ
ご参考
上梓後3か月(9月)時点での集計で20選に入っていた句で、今回順位が下がったものは次の2句でした。
19 たましひはしろはなねむのひとよはな
18 犬に服植木に電気クリスマス
句集に掲げた自選12句で、上記の20位に入らなかった5句は次の通りでした。読者の皆様の鑑識眼と己の眼の差違を教えてくれました。興味が尽きません。
17 野遊びの子らに達磨のよく転ぶ(*)
15 ジプシーの子沢山屋台の青バナナ(*)
13 梅の実の太るはやさの怖ろしき(*)
12 北駅の朝顔青しパリ青し(*)
08 洟垂れのみんな離れてチュ―リップ(*)
皆様のご批評に厚く感謝致しております。
また龍太一様は、わざわざ『「句集 SMALL ISSUE」私論』という小冊子を作成し批評を書いて下さいました。ご厚情に深くお礼申し上げます。
댓글