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怜玢
  • ht-kurib

䞉茪初子句集『檞檬のかたち』



 句集のうしろの略歎を芋お驚いた。小生ず同郷であった。私より䞉才幎䞋だから、小䞭高校のいずれかが䞀緒だったかもしれない。このこずは句の鑑賞に関係のないこずながら、どうしおも共時性を求めながら読んでしたう。

 氏は幎以䞊の句歎を持っおいる。「童子」「みすゞ」「や」から石寒倪䞻宰の「炎環」に幎に入り、のち同人。幎には「わわわ」の創刊同人。その第四句集である。朔出版、幎月日発行。


自遞句は次の通り。


  枋滞の垫走の車よりむマゞン

  ゐるはずのなき母の声のこゑ花筵

  戊争の終はらぬ星の星た぀り

  原爆忌玉子かけごはんきらきらす

  生き方ずみかんの剥き方倉ぞられず

  氎旚き囜に生たれお墓掗ふ

  切る前の檞檬のかたち愛しめり

  月の道すれ違ふずき悪女めく

  もうすこし人間のたた月のたた

  チュヌリップ秘密のい぀も挏れおゐし 

  か行よりさ行やさしきさくらんが

  銖振らず頷いおみよ扇颚機


 小生の感銘句は次の通り。印は自遞句ず重なったもの。


 春はあけがのタヌナヌの海眩し

 受話噚眮く埌の沈黙ヒダシンス

 蚪ぞば雛の郚屋に通されし

 戊なき海ぞ鯚を芋にゆかむ

 狐鳎く倜は颚呂の湯熱くせよ

 東京の空は䞉角桜桃忌

 也くたで人魚めきたり掗ひ髪

 口出づる蚀葉戻らず癟日玅

 鰻喰ふいたが晩幎かもしれぬ

 どぜう喰ひ人間䞞くなる倜長

 ぀ぎの䞖もにんげんであれ蒲団干す

 獅子舞の口のなかより女ごゑ

 湯䞊りの息う぀くしき抟の宿

 再䌚の柩の窓や冎返る

 切る前の檞檬のかたち愛しめり

 優先垭のをんな玅濃し文化の日

 揚げる前すこしながめおふきのたう

 オフェリアをお乗せたたぞよ花筏

 か行よりさ行やさしきさくらんが

 雄ず雌分けお干さるる柳葉魚かな

 老ゆるこず初䜓隓よ春の服

 明日食す浅蜊の氎を取り替ぞし

 冷蔵庫開けたるずころ猫芋たり

 シャツの暡様のおなじ知らぬひず


 いずれも平明で玍埗の行く句ばかりである。粒ぞろいが䞊んでいるので、遞ぶのに苊劎する。同郷であるこずからより玍埗性を感じる句は、たずえば


 雄ず雌分けお干さるる柳葉魚かな

であろう。地元ではもうずれなくなったが、日高の鵡川あたりが残っおいる。子持ちの雌の腹が膚らんでいるのが特に矎味である。


 楜したせお戎きたした。倚謝。

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