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古志青年部作品集2022




 今年もまた「古志」青年部長の石塚直子さんより、『古志青年部作品集』を戴いた。ひとり12句ずつのアンソロジーだが、中から一句ずつを選ばせて戴いた。


  麦青し空が自由でありしころ    イーブン美奈子

  母の恋祖母の恋きく葛湯かな      石塚 直子

  はじめから奥の桜を見てをりぬ     市川きつね

  うららかやひとりぼつちの保健室    魚返みりん

  一茶忌や母あることを有難く      関根 千方

  一つでは鶯餅はさびしさう       高角みつこ

  寺町に練る墨の香よ花樗        髙橋真樹子

  短夜を短く寝ねて髭の濃し       竹下 米花

  梅が香に下げては戻すマスクかな    田村 史生

  酒豪ありどこの新酒を贈らうか     丹野麻衣子

  爽やかに腹切られ子の飛び出せり    辻 奈央子

  雲丹の棘海を探してゐるらしく     西村 麒麟

  それぞれの手に仏あり繭を煮る     平野 皓大

  ぜんざいや初雪にして春の雪      藤原 智子

  睡蓮や歩いてみたき水のうへ      森  凛柚

  風船を持つ人すこし持ち上がる     吉冨  緑

  蘭鋳や振り捨ててゆく夢のいろ     渡辺 竜樹


 有難う御座いました。一句に絞るのが難しかったです。

来年も楽しみに致しております。

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