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怜玢
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久䞋晎矎句集『単県鏡』






 久䞋(くげ)さんは俳句歎幎の方。埌玉県珟代俳句倧賞や埌玉文孊賞を貰っおいお、「玫」山十生䞻宰の重鎮である。この『単県鏡』は什和四幎五月六日、珟代俳句協䌚発行による氏の第䞀句集である。序文は山十生䞻宰。䞋蚘の〈 遮断機のゆ぀くり䞊がる春の雚〉は俳句を始めおすぐの䜜品ずのこずで、俳句センスの宜しさを感じさせる。


 小生の共感した䜜品は次の通り。


 遮断機のゆ぀くり䞊がる春の雚

 子離れをしお秋郊の矎術通

 倏の倜や青き炎の角砂糖

 玉葱の吊るされおゐる駐圚所

 筍を掘る二の腕の癜さかな

 现胞のひず぀ひず぀に滝飛沫

 たたごずはひずり二圹桃の花

 新緑にゐお海底にゐる蚘憶

 春の倜のわたしにルビを振぀おおく

 倩高しで぀かい嘘を぀いおやる

 玫陜花をど぀さり掻けお倧䞈倫

 垆船のふず珟れる芒原

 囀や化粧ポヌチの膚らんで

 嘘぀いたずきの䞍自由桜しべ

 空腹のすがすがしさよ露の玉

 猫撫でおやる台颚の来ぬうちに

 倧䞈倫ず云ぞないずきに金魚飌ふ

 虚ず実がちりめんじやこに混じりたる

 からだごず曲るカヌブや青芒

 䜕番の札所だ぀たか䞀茪草

 したたかに螵はありぬ霜柱

 藀の花くぐる眎せなんぞしお

 黙犱の䞀分間を蝉時雚


 幟぀かを鑑賞しおみる。


 倏の倜や青き炎の角砂糖

 俳句センスの宜しさは冒頭に述べたが、この句にも感銘した。角砂糖をブランディでしめらせおおいお火を点けるず怪しげに矎しい青い炎が立぀。玅茶に入れるのだろう。コニャックがいいずか、アルコヌルの飛ばし方が埮劙ずか  。䞊等な空間での非日垞的な時間を想像させる。


 倩高しで぀かい嘘を぀いおやる

 山䞻宰の序文では。久䞋さんの俳句の特城を「情景描写を通しおの人間の内奥に迫る」「すたし顔で倧胆なこずを」「空気投げのようなテクニック」などず評しおいるが、たさにこの句は「すたし顔で倧胆」である。女性の䜜品だろうかず䞀瞬疑う。しかし、すぐに〈 囀や化粧ポヌチの膚らんで〉があっお、安心する。実にダむナミックな詠み方をされる方である。


 嘘぀いたずきの䞍自由桜しべ

 「嘘」は骚が折れる。どんな「嘘」を぀いたのかを芚えおおかねばならないから、ほんずうに䞍自由だ。この気分に「桜しべ」を配合した。぀きもせず、離れもしない、この埮劙な距離感。蚀葉ではなかなか説明できないが、うたい


 楜しい句集をありがずう埡座いたした。

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