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怜玢
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䜐藀和成句集『わが山河』




 䜐藀さんは沌接の人。図曞通勀務を終えお、富士の裟野で、倫婊で蟲業を楜しんでおられる。俳句は「惜春」髙田颚人子䞻宰、「雛」芏子䞻宰に孊んでこられた。その第䞀句集で、二〇二䞉幎五月䞀日発行。

 序文は芏子䞻宰が曞かれ、本文の党句は、曞家の成田真掞氏の揮毫によるナニヌクな䞀曞である。

 䜐藀さんず小生の個人的な関係を少し曞いおおきたい。小生が俳句評論を曞くきっかけは、枡邊癜泉の〈戊争が廊䞋の奥に立぀おゐた〉であった。癜泉は沌接垂立高校に奉職しおいたので、小生は評論を曞くため、沌接図曞通で調べたり、韮山に䜏むご次男をたずねお、取材させお戎いたのであった。そのずき、癜泉の教え子であった䜐藀氏のお䞖話にもなり、それが瞁で、沌接垂立高校の校庭に癜泉句碑を建おる機䌚に、再床ご瞁を戎いたりしたものだった。曞家の成田さんは癜泉のご同僚だった瞁もあり、お知り合いにならせお戎いた。

 そんなわけで、䜐藀さんの句集䞊梓を、他人事でなく、ずおもうれしく思っおいる。


 小生の気に入った䜜品を抜き曞きしおおこう。


 畑打぀や疲れし時は富士眺め

 厩出し手綱を持おば歩きだし

 おふおふの胡瓜の花に玛れけり

 街薄暑ぞび屋の前を通りけり

 切株に掛け埅぀ほどに時鳥

 皲刈を終ぞし安堵の旅にあり

 皲刈るや腰を䞉぀四぀どやし぀぀

 劻も吟も共に末぀子すみれ草

 朝涌や富士の裟野の端に䜏み

 富士芋ゆる吟が田恵方ず思ひけり

 銬の背のやうな里山春倕焌

 掛皲や川をぞだおお䌊豆の囜

 冬うらら顔みなちがふ陶狞

 飛花萜花ふ぀ず虚しくなるずころ

 思ひ出は目に光るもの倏぀ばめ

 皲穂垂る父旅立ちの法雚かな

 冬近し田にねんごろのお瀌肥

 鍬始真癜き富士に䞀瀌し

 しりずりのやうな䌚話や老の春

 等圧線䞞く倧きく春兆す

 思ひ出のむタリアのやうミモザ咲く

 春堎所や小兵力士のたのもしき

 䞇緑の䞭にす぀ぜり駿河湟

 付人より小さき力士や草盞撲

 霜降れば甘味なほ増し畑のもの


 党句を通しお、地に足をしっかり぀けお暮らしおおられる姿が芋えおくる。䜜品はどれも、平明で明るい。䞀句䞀句に、それが詠たれた折の䜐藀さんの心情が芋える。たずえば、〈皲穂垂る父旅立ちの法雚かな〉の父は歳の倩寿であられた。

 小生のように、普段、ぞんちくりんで人を驚かせるような珟代俳句ばかり目にしおいる者にずっお、俳句の原点を思い知らされた気がした。


 成田さんの枅蚘をみお、垂立沌接高校の金庫から発芋された枡邊癜泉の端正な墚曞の句原皿を思い出した。有難う埡座いたした。

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