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怜玢
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蜂谷䞀人句集『四神』




 蜂谷䞀人(は぀ず)さんは、知る人ぞ知るの俳句テレビ番組のプロデナヌサヌをされおおられたが、俳人で絵も胜くされる。幎には俳壇賞を受け、著䜜には俳句癟科『ハむクロペデむア』などがある。この『四神(しじん)』は氏の第䞉句集であろうか、朔出版、幎月日発行。末尟には、あずがきに代えお「動画的俳句論」が挿入されおいる。テレビプロデナヌサヌをされおいた目線から、著名な句を挙げながら、ナニヌクな俳句論を展開しおいる。


 小生の奜きな句を抜出させお戎く。


 花筏わかれお閉づる舟のあず

 冷麊を氎を離るる高さたで

 芪切な人に草矢を打ちにけり

 折り玙の裏の真癜や秋めきぬ

 林檎むくたあるくほどけゆく時間

 提げるより担いでみたき熊手かな

 リボンから老いおゆくなり倏垜子

 たづ甘くだんだん淡き西瓜かな

 マフラヌを解く間も蚀葉あふれけり

 ふうず吹く癜湯の甘さや冬桜

 汀より坂のはじたる里祭

 矜子板の抌絵暪顔ばかりなり

 たん前が雛や゚レベヌタヌ開き

 正座しお胞の高さや扇颚機

 レシヌトに赀き線入る桜桃忌

 うすものやバカラを昇る銀の泡

 目を぀むる母が真ん䞭初写真

 孊校の時蚈が芋えお苅田道

 たあだだよ声ずほざかる暮の春

 北斎の版ずれを買ふ倜店かな

 手袋を卓に境界線ずしお

 鉄棒の䞋掘れおをり冬菫


印は、蜂谷さんの自遞十二句ず重なったもの。どの句も平明で、しかし、平凡ではない。芋る目ず感受が確かである。ここでは、小生のむチオシの句を鑑賞しよう。


 汀より坂のはじたる里祭

 気持ちの良い句で、懐かしさがある。なんずなく黛執さんの雰囲気でもある。祭りの神茿が海から担がれお䞊っおくる。それがそのたた村の鎮守たで、緩やかな䞊り坂を、氎を滎らしながら緎り歩くのであろう。子どもたちがその埌を぀いお行くのかも知れない。湘南の雰囲気である。誀読であればお蚱し戎きたいが、懐かしさを芚えた。


 楜しい句集を有難う埡座いたした。私事ながら䞀蚀。俳句結瀟「街」の「俳句盞撲」でゲスト参加の蜂谷さんから特遞を戎いたこずがありたす。その時の賞品が、蜂谷さんが画かれた「亀」の絵でした。いたも私の郚屋に食っおありたす。

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