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「あふり」創刊号




 山本つぼみ主宰の「阿夫利嶺」の終刊にともない、「あふり」が誕生した。主宰は小沢真弓さん。「阿夫利嶺」はもともと「青芝」(八幡城太郎が創刊、現主宰は梶原美邦さん)にあった「あふり」句会に因んだもの。神奈川県の西に聳える阿夫利嶺から採った名。山本つぼみさんのご回復と「あふり」の発展を期待しながら、会員各位への祝意を籠めて一句づつ選ばせて戴いた。失礼の段ご寛恕願いたい。


主宰詠  雁七羽夜明けの空の一行詩    小沢 真弓

山河集  先撮りの二十歳の祝冬ぬくし   石和 信子

     休耕地泡立草の侵食す      内田 衣江

     約束の無き身の軽さ冬に入る   大玉ふみこ

     点滴は水栽培か夜の長し     大塚 和光

     星十ケ捜すまで立つ冬の畑    加藤 隆夫

     籾を焼く煙の白し遠阿夫利    神山  宏

     急行の止まらぬ駅に小鳥来る   齋藤 理恵

     ぎつちよにて習ふ筆文字児に良夜 三幣芙佐子

     紙で切る指ひりひりと鵙高音   芝岡 友衛

     桐一葉独りの淋しさ問はれけり  白戸 惠子

     発心のみちのく行脚栗ひろふ   杉本 康則

     伸子張を手伝ひし庭葉鶏頭    鈴木香穂里

     文字太き一筆添へて栗届く    角田 廣子

     秋明菊が主役の庭や七回忌    八谷眞智子

     筆箱に柿の落葉と鷹の羽根    村越 一紀

     本復の鎌倉久し紫苑晴      森山 節子

     小三治の“まくら”小耳の秋厨  横井 法子

     古寺爽籟鑑真和上の声ならむ   吉里 良夫

     モカの香に始まる一と日冬に入る 吉味 好江

青嶺集  疫の世のいと艶やかに月夜茸   芝岡 友衛

     真つ直ぐな煙ひとすぢ苅田道   杉本 康則

     黄落に音あるごとくビルの窓   増田  連

     四囲叩く木枯肉声もう聴けず   三幣芙佐子

     晩秋や台湾亭の赤わびし     横井 法子

     伸び縮む三毛のヨガめく日向ぼこ 吉里 良夫

     黄の花を欲りて黄の蝶暮の秋   八谷眞智子

     聴きとれぬ声の増えきぬ返り花  鈴木香穂里

     西に向ふ飛行機雲や天高し    大塚 和光

     吹奏楽の子等煌けり敬老日    森山 節子

     枯菊の焚かれて匂ひ残しけり   大玉ふみこ

     小諸路や蕎麦屋の卓に野紺菊   吉味 好江

     秋高し「晴れ女」健在に転院す  角田 廣子

     百歳の笑顔弾ける小春かな    白戸 惠子

     雨戸開く瞬間楽し冬の朝     齋藤 理恵

     鰯雲ひとりぽつちのずる休み   山崎よう子

     風紋の幾重を辿り秋の蝶     内山 良彦

     咲ききらぬ菊を届けて日の暮れぬ 藤井 とり

     試し掘り子等の期待に叶ふ芋   加藤 隆夫

     石蕗咲きて季の移ろふを知らされし 滝沢 和枝

     張り替へし障子に葉影踊りだし  内田 衣江

     零余子採り夫にうしろを支えられ 神山  宏

     雁の列遅れし一羽声高し     村越 一起

     山茶花の積る花弁の仄明り    石和 信子

     左利き梨を剥く子の無口なり   林  葉子

     手古奈想ふ真間の入江に秋の風  大原 綾子

     昨日の日記と同じ栗ご飯     高木 慎司

     直走る柚子坊に傘さしかけて   鈴木 時子

     どこまでも輝く稲穂会津かな   古賀ひとみ

     絵手紙に大きく野菊冬だより   中井 春子


皆様のご健吟と「あふり」のご発展を期待いたしております。



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