伊丹三樹彦三回忌追善『伊丹三樹彦の百句』
九十九歳で亡くなられた伊丹三樹彦さん。温顔を思い出すたびに、尼崎の塚口を訪ねたときのことを思いだす。玄関には三樹彦さんそっくりの人形が飾られたいた。訪問の最初数回は公子夫人にもお目にかかった。 該著は伊丹啓子さんと「靑群」同人が手分けして執筆された(2021年9月21日発行...
九十九歳で亡くなられた伊丹三樹彦さん。温顔を思い出すたびに、尼崎の塚口を訪ねたときのことを思いだす。玄関には三樹彦さんそっくりの人形が飾られたいた。訪問の最初数回は公子夫人にもお目にかかった。 該著は伊丹啓子さんと「靑群」同人が手分けして執筆された(2021年9月21日発行...
浦戸さんは「月の匣」(水内慶太主宰)の創刊同人。その第一句集(朔出版。2021年9月1日発行)。 まえがきには水内主宰が浦戸さんの人となりを丁寧に紹介している。あとがきの冒頭に「存分に仕事をやり終えてからの遅い入門」とあり、小生と全く同じだと、気を引かれた。小生も猛烈な企業...
広渡さんが「俳壇」に連載しておられた「俳句と樹木」に係わる記事が書籍化されたもの。樹木やそれを含む風景がカラーでふんだんに挿入されており、写真集のように美しい。簡潔な説明と例句が添えられている。2021年8月30日、本阿弥書店発行。...
堀田さんが句集『人類の午後』を上梓された(邑書林、2021年8月6日発行)。氏は「吟遊」「澤」各同人を経て、現在「楽園」主宰。芝不器男俳句新人賞齋藤愼爾奨励賞、澤新人賞を受け、現代俳句協会幹事。歌人でもあられる。 作品は正字表記されている。小生は正字に疎いので、引用には、一...
藤野さんは「海程」終刊後は「海原」(安西篤代表)の同人、そして「遊牧」(塩野谷仁代表)にも所属しておられる。1992年に角川俳句賞を受けるなど、実力俳人である。この句集は、第三句集(令和三年九月十日、飯塚書店発行)で、2015年以降の323句から成る。...
大高霧海句集『鶴の折紙』 大高さんは「風の道」の主宰。この句集は第七句集(令和2021年8月20日、本阿弥書店発行)である。題名は〈132 大統領の鶴の折紙淑気満つ〉に因んでいる。この句については、あとがきに詳しく書かれている。オバマさんが広島を訪問し「十万人を超す日本人の...
大木さんは「海光」(林誠司代表)の編集長。日本詩歌句随筆評論協会賞を貰っておられる。その第一句集(2021年8月28日、俳句アトラス発行)である。序文は縁あって渡辺誠一郎(「小熊座」前編集長)が、大木さんの言葉に対する感覚の宜しさをこと上げて書いておられる。句集の題名は〈0...
杉原さんは兵庫県庁勤めの傍ら句会「亞流里(あるさと)」で俳句を始められたのが平成二十二年。句集『ヒヤシンス』は第一句集で、句集名は、初期の作〈理科室の光歪めるヒヤシンス〉からとられた(令和三年九月九日、俳句アトラス発行)。なかなかに写生的な句である。ところが、句集中の多くの...
水上(みずかみ)さんは加藤楸邨、飯田龍太に師事、矢島渚男に兄事。「雲母」「寒雷」「炎環」を経て「梟」同人、「長野雲母」代表であられ、2002年に俳壇賞を受賞されておられる。その第三句集で2010年よりの十年間の作品を収容している。第一句集は『交響』であったが、これに福田甲子...
若井さんの第五句集『風雪』(2021年5月25日、角川文化振興財団発行)を読む機会を得た。氏は「狩」(鷹羽狩行主宰)に参加、終刊後「香雨」(片山由美子主宰)に同人参加。角川俳句賞、宗左近俳句大賞、俳人協会賞などを受けておられる重鎮である。 自選と思われる12句は次の通り。...
塩見さんの第三句集(2021年5月15日、朔出版発行)である。氏は先ごろ解散した「船団の会」(坪内稔典代表)のメンバーで、甲南高校を俳句甲子園で優勝に導いた先生でもある。 遅ればせながら、縁あって、該句集を読ませて戴いた。 自選句は次の12句。...
大崎さんは「俳句朝日」の創刊編集長をつとめ、現在は「WEP俳句通信」編集長。2001年からは結社誌「やぶれ傘」創刊主宰。同人誌「棒」同人。この句集は第十一句集であろうか。その他、釣の本、旅の本、詩集、写真集など著作は極めて多い。東大仏文科卒。 自選句は次の12句。...
表紙絵は「見立て江口の君図」 大関さんの句集『大蔵(だいぞう)』を読ませて戴いた(ふらんす堂、2021年7月5日発行)。句集名『大蔵』は〈010 支那海を大蔵経は黄沙追ふ〉に因んでいると思われる。氏は、水原秋櫻子・能村登四郎・福永耕二に師事し、現在『轍』の主宰。句集・評論集...
大河原さんは「桔槹」(森川光郎代表)で研鑽を積み、平成28年に「小熊座」に入会した。福島県の文学賞正賞を受賞している。帯には森川代表が〈野鯉走る青水無月の底を搏ち〉を挙げ、「無類にして無頼」と称賛している。令和3年7月21日、現代俳句協会発行。...
兜太現代俳句新人賞に輝いた北山順さんの初句集『ふとノイズ』が発行された(令和三年七月七日、現代俳句協会)。北山さんは俳句結社「街」(今井聖主宰)に所属している。序文は今井主宰が「俳句は省略の文学である。(略)順さんのこの句集もまたさまざまな省略の試みがみられる」との評を書い...
同人誌「遊牧」(塩野谷仁代表、清水怜編集人)の伍賀さんが該著を出された。本阿弥書店のアンソロジーである(2021年6月30日発行)。100句中、前の部分の16句は、結社「街」(今井聖主宰)時代のもの。全体から、小生の好きな10句ほどを選び、鑑賞させていただく。...
この度、上智句会合同句集『楉(すはえ)』19号が発行された(2021年7月1日、発行人は大輪靖宏先生)。お礼の気持ちを籠めて、小生が好きだったお句を、お一人一句に限って選ばせて戴きました。 01 紅梅の今日は美人によく会ふ日 大輪靖宏...
日野百草さんが「赤城さかえ論」を書かれた(2021年7月4日、コールサック社発行)。氏はノンフィクション作家で多くの賞を受けられ、俳句でも「玉藻」(星野高士主宰)、「鷗座」(松田ひろむ主宰)の同人で、句集・俳論なども多い。...