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雑誌の眼鏡

栗林のブログ

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佐藤みね句集『稲の香』

佐藤みねさんは「小熊座」の同人。この句集『稲の香』(令和四年二月二十五日、朔出版発行)はその第二句集で、高野主宰の命名による。それに留まらず、選句も序文も主宰にお願いした、とあとがきにある。 序文によれば、佐藤さんは御子息を亡くされたとあり、土地柄(宮城県遠田郡)から東日本...

松本余一句集『ふたつの部屋』

略歴によれば、平成29年に俳句を始め、「ひろそ火」(木暮陶句郎主宰)に師事とある。それでいてこの句集は既に第二句集(俳句アトラス、令和4年1月30日発行)であるようだ。それにしては(と書くのは失礼だが)作品は見事にきちんと出来ている。驚きである。...

秦 夕美句集『金の輪』

大ベテランの秦さんの第十八句集である(2022年1月15日、ふらんす堂発行)。氏は「豈」所属で個人誌「GA」を発行されている。『金の輪』は小川未明の童話の題名からとられた。「金の輪」ということばが浮んですぐに〈金の輪をくゞる柩や星涼し〉ができたという。未明の童話も実体験から...

平松うさぎ句集『襲(かさね)』

平松うさぎさんの第一句集である(朔出版、2022年1月25日発行)。氏は能村研三主宰の「沖」に2009年に入会し、現在、同結社の同人会常任幹事としてご活躍である。 序文は能村主宰が、跋は森岡正作副主宰が、それぞれ佳句を沢山取り上げて丁寧に書いている。 自選10句は次の通り。...

寺町志津子句集『春は曙』

寺町さんは広島の家庭裁判所でのお仕事を通じて俳句と出会い、平成18年に金子兜太の「海程」に入会、26年に同人、兜太没後は後継誌「海原」に入会された。 お生れは旧満州の大連で昭和21年に引き揚げられた。ご苦労のほどが想像できる(この句集の序文をお書きになられた「海原」代表の安...

「あふり」創刊号

山本つぼみ主宰の「阿夫利嶺」の終刊にともない、「あふり」が誕生した。主宰は小沢真弓さん。「阿夫利嶺」はもともと「青芝」(八幡城太郎が創刊、現主宰は梶原美邦さん)にあった「あふり」句会に因んだもの。神奈川県の西に聳える阿夫利嶺から採った名。山本つぼみさんのご回復と「あふり」の...

渡辺香根夫著『草田男深耕』(横澤放川編)

渡辺香根夫さんが、表記の草田男論を一冊にまとめて出された(編集は横澤放川さん)。三篇の講演録、二篇の評論、晩年の二十年間の草田男作品の多数の鑑賞、などから成っている(二〇二一年十一月二十五日、角川文化振興財団発行)。 小生がもっとも興味を持って読ませて戴いたのは二つの講演録...

相子智恵句集『呼応』

相子さんは2009年の第55回角川俳句賞受賞者で、「澤」(小澤實主宰)一筋の方。その第一句集(左右社、2021年12月11日発行)である。 序文は小澤主宰。その中で主宰は、この句集の題名『呼応』を褒めておられる。「詩とはことばとことばの呼応を書き記したものと考えていたからだ...

池田澄子著『本当は逢いたし』

池田さんの随筆集である。日本経済新聞社出版本部、2021年12月1日発行。60余篇からなる、池田さんの来し方、日常、俳句などにかかわる、軽やかな筆致のエッセイである。このほど読み終わったので、共感した部分、派生的に思い起こしたことなどを、思いつくまま書いておこう。...

細谷喨々句集『父の夜食』

平明でユーモラスな句が多く、愉しい気分で読み終えた句集でした。 細谷さんは在学中に石川桂郎に師事、昭和45年に「風土」同人。その後「一葦」の創刊同人。現在は「件」同人。これは第三句集で、氏には、エッセイ集や坪内稔典・仁平勝との共著『句の一句』など、多くの著作がある。氏は確か...

龍 太一句集『HIGH QUALITY』

驚きの句集である。新記録の句集である。 句集の題名が一風変わっている。あとがきを要約すれば「(入集されている)作品は選者の方々への深甚なる敬意と、一句一句に生命を吹き入れられたもととなる〈品格〉ある選句への深い謝意を表明させていただくものである」とある。...

谷口智行集

谷口さんは結社「運河」(茨木和生主宰)の副主宰。紀南医師会の副会長でもあられる。三冊の既刊句集から自選300句を収録して『谷口智行集』を編んだ。令和3年12月1日、俳人協会発行。各句に短い自註が付されている。 氏は800頁もある俳句関係の小論集『窮鳥のこゑ』を、書肆アルスか...

赤野四羽句集「ホフリ」

俳句の文学性を追求する句集である。 赤野さんは現代俳句新人賞を受けられた気鋭の俳人。すでに句集を二冊出されており、これは第三句集である。2021年9月30日、RANGAI文庫発行。 自選と思われる10句は次の通り。(注記:赤野さんからのメールで、下記は自選ではなくRANGA...

戸恒東人句集(2)

国の内外を旅して詠まれた佳句が多い。 戸恒さんは「春月」の創刊主宰。俳人協会の理事長をも務められた。氏の第四から第六までの句集から300句に絞って入集し、自註を加えてある。2021年12月1日、雙峰書房発行。 旅吟以外に、戸恒さんらしい深い蘊蓄から生まれた作品も多く見られる...

青池 亘 句集『海峡』

微笑ましい吾子燦燦の句集である。 青池さんは「百鳥」(大串章主宰)に平成7年入会し、現在同結社の同人。俳句甲子園で徳山高校を優勝に押し上げるなど、山口県の俳壇をふくめ、おおいにご活躍である。その第一句集(東京四季出版、令和三年十二月二十三日発行)。...

髙橋紀美子句集『天空の星』

見識の句集である。 髙橋さんの第一句集(ふらんす堂、2021年12月6日発行)。2000年に有馬先生の「天為」に参加、のち「未来図」にも加わっている。有馬先生には句集を出すことを了解戴いていたが、急逝されたのがショックであったらしい。〈師の一句一句を胸に枇杷の花〉が自選句に...

鳥井保和遺句集『星雲』

鳥井さんが亡くなられたのは令和2年11月3日。和歌山で「星雲」を立ち上げられてから12年後のこと。山口誓子直系の俳人だった。小生は、ときどき俳人関係のパーティでその温顔に接し、会話を楽しんだものだった。古希寸前のご逝去でした。...

松林尚志著『詩歌往還―遠ざかる戦後』

縁があって、松林さんから該著(2021年11月12日、鳥影社発行)を戴いた。俳論の多い氏は、実は詩人でもあられる。句集、詩集ともに三冊ずつ、俳句評論は十数冊に及ぶ。小生は、前衛俳句について書く際に、松林さんの初期の評論『古典と正統』を、大いに参考にさせていただいたものである...

蜂谷一人著『ハイクロペディア』

蜂谷一人(はつと)さんが『ハイクロペディア』を出された(本阿弥書店、令和三年十一月二十九日発行)。初心者句けの俳句のエンサイクロペディア(百科事典)である。一般に百科事典は読み物風ではない。しかしこの著は読物的であり、それぞれの項目に蜂谷さんの蘊蓄がエッセイ的に詰め込まれて...

俳誌「りんどう」650号記念号

「りんどう」(藤岡筑邨主宰、松本市)の650号(2021年11月号)を記念する号が出版された。600頁におよぶ大作である。小生は、藤岡主宰が98歳になられることを存じ上げていなかったので、いたく感動を覚えた。そしてその熱意に敬服している。...

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